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天然漆喰パーフェクトガイド! -ひとに優しい漆喰-

皆様こんにちは。棲み家の増田です。

 

突然ですが皆様は天然の塗り壁、と聞くと何を想像されるでしょう?

 

.漆喰と珪藻土の違い

.自然素材ではない漆喰??

.漆喰の良いところと、しっくいの大変なところ

.漆喰にすると高くつくの?

.家にも優しい漆喰

 

  1. 漆喰と珪藻土の違い

 

まずは「塗り壁」と聞いて、大体漆喰と立ち位置を二分する「珪藻土」と、比べてみたいと思います。

 

珪藻土とは?

 

 

 

 

 

 

 

珪藻土は、「珪藻」の字にもあるように、海の底にたまった藻の類が長年推し固められて出来た石、珪藻が粉々に砕けたものです。

日本の原産地等ですと稚内などが有名です。

粉々に砕けた後の珪藻土は、まるで砂のようで水に溶かす(混ぜる)と土のようになります。

 

が、非常にさらさらしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

特に土同士がくっついたりするような性能はなく、物質的にも性質的にも土のままです。

なので、もちろんこれだけ水に混ぜて壁に塗りつけても石膏ボードを汚すだけです。

 

自ら壁にくっつくという性能がないのですね。

 

実際にはではどうするかと申しますと、粒子同士がくっつき会えるような「つなぎ」と混ぜて壁に塗りつけます。

 

 

例えば、泥。

 

 

 

 

 

例えば、漆喰。

 

 

 

 

 

 

例えば、接着剤。

 

 

 

 

といった具合です。

 

珪藻土が自然素材かどうかについては、このつなぎの種類によって決まります。

 

また珪藻土は非常に高い調湿性能を持っています。

(調湿性能とは、空間の中に存在する水蒸気、湿気を吸ったり吐いたりすることで、極端に湿度が高くなったり低くなったりするのを防いでくれる機能のことです。)

 

この調湿効果は珪藻土を塗り壁にしたときに出来る無数の気泡によるもので、その気泡の中に水上を取り込みます。

湿度が高い環境とバランスを取るために、自分の中にも湿気を取り込むのです。

 

珪藻土の特徴

・調湿効果が高い

・つなぎの種類によって性質が大きく変わる

・塗り上がりがなめらかになる

 

 

漆喰とは?

 

漆喰は、消石灰と言われる物質で、水酸化ナトリウムが主原料です。

生石灰という物質に水をくわえると相当の高温発熱とともにこの消石灰に変わります。

 

 

 

 

 

 

この消石灰に変わる途中で、粒子同士が完全にくっついて、水分が抜けて消石灰に変わりきった頃には大きな石のように一体物となります。(いわゆる石のイメージよりは脆性的です。)

 

このときに壁に接していると壁の繊維の間に根を張り固まってしまうので、基本的には何も加えなくても壁にくっつく事ができます。

混ぜるとすると「割れにくくするための素材」でしょうか。もしくは「塗りやすくするための素材」。

 

何を混ぜるのかは使用される漆喰ごとにちがうのですが、樹脂系の接着剤などを混ぜ込んでしまうと、折角の漆喰の調湿効果や浄化効果が半減してしまうこともありますので、なにが混ざっているのかはしっかりと確認しなくては、最大限の効果を教授することが出来ません。

 

また漆喰は石けんよりもかなり強い強アルカリであると言うことから、細菌に対する殺菌作用を発揮します。

石灰はインフルエンザウィルスに対しても有効とされており、滅菌は難しいとしても菌やウィルスの生息数を大幅に減らすことが出来ると実証されています。

 

 

 

 

粉の状態の漆喰(水酸化カルシウムが主成分)→PH13.5

漆喰を練り塗り上げて一週間以内の状態→PH13〜PH10

漆喰施工後1ヶ月の表面の状態→PH9

石けんのPH値は一般的に9~11(JIS規格)

 

カビの発生実験においても結果が出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二つの容器にそれぞれ食パンを入れ、それぞれをクロス、漆喰にて壁面を覆い、数日様子を見るというものですが、クロスの方にカビが発生した段階では、漆喰の容器の方についてはカビの発生が確認できませんでした。

 

このように空気環境を浄化するというのは漆喰の持つ大きな効果の一つとして考えて良さそうですね。

調湿効果や消臭効果も併せ持っていますが、比べますと珪藻土には及びません。

 

漆喰の特徴

・殺菌効果が高い

・基本的にはつなぎが必要ない

・塗り上がりは少しざらつく

 

2.自然素材ではない漆喰??

 

自然素材の代表としてお話を進めてきました漆喰、自然素材ではないものが存在するのか?

正確には漆喰自体は自然素材と言えますが、壁の仕上げ材として捉えると「自然素材」とは言い難いパターンが存在します。

先ほど記述いたしました「混ぜるもの」の問題なのです。

 

自然素材だけで構成された漆喰壁の例

 

無添加住宅の漆喰においては割れにくくするものを混ぜています。

詳細については企業秘密(書き上げるのが面倒なわけでは一切ありません。)ですが、要するに海草や藻の類を混ぜて、脆性的な特徴を踏襲しています。

イメージとしては和紙のような感じでしょうか。

薄い紙に繊維状のものを混ぜることによって引きちぎれようとする本体を引っ張り強化するのです。

 

こちらは、混ぜ物ごと自然素材なので、壁材として仕上がった際も自然素材の壁と言うことが出来るでしょう。

 

自然素材と化学物質を組み合わせた漆喰壁の例

 

しかし、混ぜものとしていわゆる接着剤系の物を混ぜた場合はどうでしょうか。

漆喰については自然素材ですが、接着剤につては人間では分解できない物質も発生させます。

どれくらいの量を混ぜるかによりますが、通常、クロス仕上げと同程度、場合によっては多量に「接着剤が乾くときにはき出すガス」を発生させると言われます。

このガスが、アレルゲンとなり呼吸器や粘膜の炎症を引き起こしたり、悪い場合は自律神経に作用します。

 

このように、自然素材に対して求める内容によっては自然素材として認められないようなものも存在します。

 

自然素材の空間を作るときに大切なのは、

「自然素材を使用している」と言うことではありません。

「身体に有害なものを使用していない」ということです。

 

よく考えないと勘違いが起こりやすい部分で、建材を選ぶ際にはしっかりと検討、考慮をしなければいけませんね。

 

 

3.漆喰の良いところと、しっくいの大変なところ

 

漆喰の良いところ

 

漆喰の良いところは色々とあります。

先ほどから出てきております空間の浄化効果についてはややこしいお話も含めると非常にたくさんあります。

 

・健康面

 

 

 

 

 

 

 

 

最近やウィルス、カビに対して抵抗効果を持つことはシックハウス症候群の対策としては非常に効果的です。

余談ですが、最近はホルムアルデヒドやその他法律により制限されている物質の減少、または不使用の建材が沢山出てきておりますが、それら規制された物質の中にはカビや細菌に対して抵抗を持つ藻のも少なくありません。

そのため、純粋に制限物質を減らしただけの住宅においては、カビや細菌の発生量が増える傾向にある事がわかってきています。

 

シックハウスの原因物質として数えられる代表に実はカビも存在しています。

健康住宅ということで一端の原因だけ処理をするとそれに伴って他の問題が発生する事がありますので、健康住宅を建てたい!という場合などは十分な知識と対処が必要です。

 シックハウスの原因物質となりうるカビに対しても漆喰は抵抗作用を持っておりますので安心ですね。

 

・採光面

 

 

 

 

採光というと一般的なイメージとは違うのですが、漆喰は硬化した炭酸カルシウムの結晶体です。

漆喰の色を、私は透明とお話することがあるのですが、実際に私たちの目に見えている色は白です。

この結晶体が光を沢山取り込み反射するため白く見えるのですね。

 

イメージとしては雪と同じ状態です。

氷の結晶ですので、色自体は透明なのですが、細かい結晶が沢山集まった状態だと白に見えるわけですね。

 

また反射の仕方も鏡のように単一的ではありません。

炭酸カルシウムの単結晶は菱形をしていますが、複雑に並び反射し合うことで乱反射を起こします。

 

漆喰壁に対して当たった光が四方八方の飛び散るイメージですね。

この効果により窓から入ったひかりが「部屋の中に広がる」イメージを体現することが出来ます。

 

 ・消臭面

 

 

 

 

しっくいには消臭効果があると聞いたことがあるでしょうか。

この一部葉前述のウィルスやカビの発生を抑える効果によるものですが、実際にそういったものでなくても消臭効果を発揮します。

 

例えばわんちゃんなどのにおいなども、漆喰が乾く際に出来た気泡の中ににおいの成分を取り込み、臭い物質と中和反応し酸性物質を分解します。

臭いの原因とされる物質の多くがこの酸性物質であるため、強アルカリの性質を残す漆喰壁なら消臭しやすいわけです。

 

分解できない臭いとしては、木に含まれるフィトンチッドといわれる臭い物質の内アルカリ性を持つものなどは、同じアルカリ性質の漆喰では分解が出来ません。

 

・メンテナンス性

 

 

 

 

 

 

自然素材はメンテナンスが大変とよく言われます。

壁面に於けるメンテナンスの内容としては、掃除、はがれの修復、汚れの修復などがあるでしょう。

 

掃除については、かなりきれいに押さえて塗った漆喰で無ければなかなか大変です。

表面がざらざらした仕上げの場合は雑巾などで拭くと雑巾の方が引っかかってうまく拭けません。それどころか破れた繊維が漆喰に付着し逆に汚してしまうこともあるくらいです。

しっくいの掃除に関しては気になったところをハタキや掃除機で軽く掃除するくらいをオススメいたします。

 

基本的には静電気が発生しない性質なので、埃が壁にくっついて汚れる、ということは考えにくいのでそれで十分なのです。

 

汚れた、はがれたの時はどうするのか。と言いますと、塗り足します。

かなり色を調合した漆喰でもなければ、初めての方でもある程度きれいに塗ることが出来ます。

クロスのように切れ目が見えたり、部分的に張り替えたところがまた浮いてきたりと言うことが無いため日々のメンテナンス自体は非常に安く抑えることが出来るでしょう。

日焼けすることも基本的にないため、塗り替えよう、と思うまでにはかなりの年数が必要と判断出来ます。

 

漆喰の大変なところ

 

・多湿の場所には向かない

しっくいは調湿効果があります。

調湿効果があると言うことは、水蒸気を多く含み込んでしまうことが出来ます。

もしも多湿の場所で水蒸気の保有量の限界を超えた場合どうなるでしょうか。

 

もちろん、結露いたします。

 

結露するとどうなるか。

 

周辺、若しくは自身にカビが発生します。

先ほどカビに対して強いと申しましたが、これは空間をカビに対して強くすることが出来るだけで、実は漆喰自身にカビが生えないと言うことでは残念ながらありません。

カビは、水分、養分、温度の3要素が揃うとどこでも発生する、かなり強力な菌です。カビ除去剤の劇薬性を考えても、かなり強い成分のものでないと発生自体を抑制することは出来ないのです。

 

漆喰のカビ発生に対する対処としては、まず湿気をこもらせないこと。家具や家電製品と壁の間にはなるべく隙間を空けて配置をしましょう。

押入の中などもカビの発生しやすい部分になりますので、こちらも出来るだけスノコを置くなどして対処をしましょう。

また、発生したらすぐに除去しましょう。

一番大事なのは湿度調整です。70%を超えた当たりから漆喰の限界に近づいてきます。

80%台に乗る前に窓を開けたり風を通して湿気を逃がしてあげましょう。

 

・塗り立てからしばらくは粉が落ちる

これは実際に漆喰の家にお住まい頂いた方から頂戴したお声です。

漆喰は塗り立ての時は表面のざらざらがかなり細くなっている部分もあります。

 

こういう部分についてはさわるだけで落ちてしまったりすることがあります。

というか、必ずします。

 

また、ビニールクロスと違って伸縮性は無いことと、破片がかなり細かくなることから、床に白い粉を落としたり、服や鞄に白い粉がついたりすることがあります。

普段よくさわったりする部分についてはしばらくするとなでられて粉は落ちなくなってくるのですが、普段あまりさわらない場所、若しくは使い方の加減でどうしてもものがぶつかったりする場所などは定期的に粉が落ちることがあります。

気になる方は押入やクローゼットの中について、塗り壁自体を避けた方が良いのかも知れませんね。

 

 

4.漆喰にすると高くつくの

 

壁を漆喰にしたいけど、予算が・・・。

というのがよくあるお悩みですね。

 

漆喰にすると高くつくのでしょうか。

大体の検証をしてみましょう。

 

内装材について

内装を漆喰にする際の金額をクロスと比べてみましょう。

6帖の洋室にて試算

クロス

 

 

 

漆喰

 

 

項目

数量

金額

項目

数量

金額

クロス貼り

22.33㎡

22,300

 

漆喰

24,320

 

 

 

 

養生

22.33㎡

17,864

 

 

 

 

壁手間

12.40㎡

62,000

 

 

 

 

天井手間

9.93㎡

57,594

 

 

 

 

 

 

 

合計

 

22,300

 

合計

 

161,778

上記のように、

初期金額は約7.25倍!

差額は¥139,478となります。

 

雑にお話をすると、6帖×10で大体30坪程度ですので、大体140万円くらいの差額になる可能性がありますね。

 

ここまでで、初期投資は高くつくことがわかりました。

では、もう少し検討を続けてみましょう。

 

例えば住宅ローンを35年、0.875%の金利でお借り入れしているとします。

そうすると、大体の場合は個の140万円の差額分を住宅ロ^ンから支払うことになるわけですから、35年間かけてこの差額分の140万円をお支払いすることになります。

 

ではこの条件で140万円を追加で借りた場合、月々の支払いはどれくらい増えるのでしょうか。

 

おおよそ3900円になります。

月々3900円のお支払いが高いか安いかは価値観によるのですが、こう考えると、もしも気に入っているならやって損はない金額ですね。

 

特にクロスの場合は張り替え時期が5年程度と、意外に耐用年数が短いのです。

お使い方によっては15年目でもきれい、という事も考えられますが、10年以上張り替えずに於かれると下地ごと痛めてしまうので、最長でも10年と捉えるべきでしょう。

 

クロスの張り替えの際ははがす工事や捨てる工事などが単独で発生するため、金額は新築の際よりも当然上がります。

相場の最大金額の1500円/㎡を仮に計算の参考にするとすると、

 

223.3㎡×1500円=334,950円

 

334,950÷5年÷12ヶ月=5,582円/月(5年ごとの張り替えの場合)

334,950÷10年÷12ヶ月=2,791円/月(10年ごとの張り替えの場合)

334,950÷7年÷12ヶ月=3,987円/月(7年ごとの張り替えの場合)

 

と、7年以上クロスの張り替えを我慢すれば漆喰よりもメンテナンスも含めて安い事になります。

漆喰の場合の塗り直しはいらないのかというと、部分補修がききますので全面、及び一面やりかえという工事にはなりません。

加えて、器用な方ならご自身で出来る程の手軽さです。

 

 

5.家にも優しい漆喰

 

今までお話してきた特徴の中で、調湿と細菌やウィルスの抵抗効果については、人の体にとってはもちろんのこと、実は家にとっても非常に重要な要素なのです。

リフォームの為に壁をはがしてみると壁の中がカビで真っ黒・・・・。

みたいな話をお聞きしたことはないでしょうか。

ありそうな脅し文句に聞こえるこのお話、建築業に携わる方なら実際に一度は見たことがあるであろう光景なのです。

湿気を侮るとひどいことになる、と私も教えられました。

カビを適度に抑制し、湿度を適度に調整してくれる漆喰は家にも優しい素材なのです。

※基本的にはお住まい方で湿気を調整するのが一番大切なので、過度の期待は禁物です。

 

まとめ

 

と、いうことで

 

ここまでお読み頂きありがとうございます。

順を追って漆喰の特徴についてお話してきましたが、個人的にはやはり漆喰の持つ自浄作用が、他に多くはない特徴になりますので

価値の高いものだと考えています。

ご新築,リフォームをご検討の方は、是非一度漆喰の検討をしてみてください♪

今のように順を追って色々検討すると、きっといいものに思えてくるはずですよ。

 

 

 

 

 

 

 

以上。増田でした。またお会いしましょう。

 

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